【IBM】ビジネスにフォーカスしたIBM分析その②~メインフレーム(2)~


前回の続きで、今回はメインフレーム市場動向と、IBMのメインフレームに関する良くある誤解を解いていきたいと思います。

前回はこちら↓

【IBM】ビジネスにフォーカスしたIBM分析その①~メインフレーム(1)~
1/18にFY2017 4Qの決算を控えているIBM。個人的には決算の内容に非常に期待していますが、果たしてどう...
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メインフレーム市場動向

ハードウェアの売上は縮小傾向にある

世界のメインフレーム市場規模は4000億円~5000億円程度です。2000年の約1兆円から大きく減少しています。

出典:ZDNet Japan – 日本の市場規模は半減–クラウド全盛期にIBMがメインフレームを開発する理由

メーカーは6社のみでIBMの独壇場

IBM、Unisys、AtoS、日立、NEC、富士通の6社のみです。日立がハードウェアの製造から撤退するとのニュースがあり、これから5社に減少する見込みです。

日立がメインフレーム製造から完全撤退、開発はOSだけ
 日立製作所がメインフレームのハードウエア製造から完全撤退することを決めた。販売中の大型メインフレーム「AP8800E」を最後に筐体の開発を中止する。

IBMはこの中の圧倒的なリーダーで、世界シェアは80%以上です。日本のみ国産メーカー優遇の歴史があってIBMのシェアが低く、日本を除いた場合のシェアは90%超です。

出典:ZDNet Japan – 日本の市場規模は半減–クラウド全盛期にIBMがメインフレームを開発する理由

普通の業界だったら独占禁止法で訴えられるレベルです。

新規参入のハードルはとてつもなく高い

メインフレームの市場は、IBMという圧倒的なリーダーがおり、縮小している市場であり、新規参入するには膨大なコスト(研究開発、製造、営業、保守等)が必要です。そんな市場に敢えて参入する企業はまず存在しないですね。

IBMのメインフレームについての誤解

誤解①:IBMのメインフレーム売上は急激に減少し続けている

大多数の人が勘違いしている点ですね。

IBMのハードウェア事業はずっと減少傾向にあり、前年度比20%減もざらにあります。IDCのレポートから調査したIBMのサーバ売上推移は以下の通りです。2017 Q3の決算では、久しぶりに前年度比プラス成長になり、IBM復活の兆しか?と話題になりました。

この減少傾向を作っているのはメインフレーム以外の事業(PowerSystems、ストレージ機器)であり、メインフレームはこの限りではありません。

IBM’s z Systems mainframe business is growing, with revenue up by four percent in the fourth quarter.

(中略)

China is also a growing market for the z System with IBM closing deals in the fourth quarter with two large Chinese banks that have chosen the new z13 mainframe.

出典:ServerWatch:IBM Mainframe Revenue Growing as Overall Systems Revenue Decline

2016年は、2015年初頭にZ13(現在最新であるZ14の1世代前)が発売された後、Z14の発売前と言うことで、メインフレームの売上は一時的に減少した可能性が高いです(買い控え)。グラフを見れば分かる通りQ4の売上が多い傾向にあり、Z14が発売されて最初のQ4である2018/1/18の決算は、IBMの今後を占う非常に重要な決算だと考えています。

誤解②:メインフレームはレガシー=悪

IBMのメインフレームに関しては該当しません。

IBM以外のメーカーのメインフレームは既存の顧客のシステム更新用でしかなく、「レガシー=悪」と言ってしまってもあながち間違いではありません。

一方、IBMのメインフレームは最新技術をふんだんに盛り込んだ製品であり、レガシーとは全く言えません。最新のZ14では、機械学習やクラウド連携といった旬の機能を持ちます。

ハードウェアのスペックや機能を列挙しても良いのですが、各社の最新製品の紹介ページを見てみるのが一番簡単にイメージが湧くのではないかと思います。

IBM

IBM z14 - 詳細 - 日本
IBM z14メインフレームは、全方位型の暗号化機能と迅速かつ大規模なトランザクションを使用し、クラウドにおけるお客様のデジタル変革を安全に推進します。

富士通

http://www.fujitsu.com/jp/products/computing/servers/mainframe/gs21/lineup/gs212600/index.html

NEC

ACOS-4 : ACOSシリーズ | NEC

日立

コンセプトと特長:エンタープライズサーバAP8800E:日立

誤解③:今のIBMにとってメインフレームはおまけ

市場規模(4000億円~5000億円)とIBMの世界シェア(約80%)より、単純計算で年間で3000億円~4000億円程度メインフレームの売上が発生します。IBM全体の年間売上高は約8兆円(1ドル100円計算)であるため、メインフレームの売上は4~5%程度しか占めないことになりますね。

しかし、関連事業も合わせた売上への貢献度は小さくないです。

メインフレームのハードウェアを購入するだけでは何もできません。ストレージ機器購入、データセンターへの機器設置、システムの設計や開発やテスト、システム運用者向けのトレーニング、システム稼動後の保守サポート・・・と言った具合に様々な売上が生じます。

具体的な額までは不明ですが、「IBMの全利益の半分をメインフレーム関連が占める」という情報があるくらいですので相当な額ではないかと推測できます。

Half of IBM's profits come from mainframes

まとめ

IBMにとってのメインフレームは、「安定した売上と利益を会社にもたらしてくれる事業」として現在も重要です。

更に、最新のメインフレームであるZ14は、メインフレームでありながら機械学習といった最新のサービスを活用できる世界でオンリーワンの製品になっています。

Z14のユーザがIBMの新しいサービスを活用することで、ハードウェアの売上のみにとどまらずIBM全体の売上/利益増加に大きく貢献することになるのではないかと考えています。

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