【SPGI】ワイド・モートな事業を複数有する、S&Pグローバル銘柄分析

ウォーレン・バフェットの書籍でよく言及される「ワイド・モート(経済的な堀)」。

参入障壁が非常に高いために、新規参入企業よりも既存の企業の方が圧倒的に有利であることを指します。

S&Pグローバルは、そんなワイド・モートな事業を何と複数持っている、非常に優秀な企業です。

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S&Pグローバルは、3つの事業を柱とする

S&Pグローバル・レーティング

企業や、企業が発行する債券の信用格付けを行う事業です。

信用格付けは、新規参入がめったにない非常にワイド・モートな事業です。

そんな信用格付けの世界で、S&Pは世界三大格付け機関の一つに数えられています。

  • スタンダード&プアーズ
  • ムーディーズ
  • フィッチレーティングス

リーマン・ショックの際には、サブプライムローン入りの金融商品に最高格付け(AAA)を乱発して大問題になりましたね。

リーマン・ショック後しばらくの間は「格付け会社なんて信用ならない!必要ない!」といった風潮がありました。

…といっても、債券やその発行体の財務状況等を債券購入予定者がいちいち調査するわけにもいきません。

格付けそのものは、現代の世の中になくてはならないものです。

格付けで問題なのは、債券の発行体が格付け会社にお金を支払って格付けしてもらうということです。

格付け会社からすると、高格付けをつけた方がより多くの顧客を抱えることが出来る仕組みですからね。

S&P グローバル・マーケット・インテリジェンス

マーケット・企業・コモディティに関する様々なデータと、データを分析するためのツールを顧客に提供するサービスです。

以下の動画を参照するとイメージわきやすいかと。

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス

日本でも非常に有名な「ダウ平均株価(ダウ工業株30種平均)」や「S&P500」をはじめとする、各種指数(インデックス)を幅広く提供しています。

ETF設定会社などが指数を利用する際に、使用料を徴収することで利益を得ます。

低コストのETFにとって指数使用料は大きな負担となっており、裏を返すとS&P500を擁するS&Pグローバルにとってはウハウハですね(笑)

あのウォーレン・バフェットが、資産の90%をS&P500に投じるよう妻に対して告げているほどですから。

アメリカの株価指数としてダウ平均株価やS&P500を上回る指数が今後生まれるか…まず考えられません。

信用格付けと同等か、もしかするとそれ以上にワイド・モートな事業です。

また、最近ではKENSHO INDICESという子会社で、遺伝子工学やドローンといった流行りの企業に投資するための指数を算出して提供しています。

それらの指数を使用した投資信託として、eMAXIS Neoシリーズが販売されていますね!。

S&Pグローバルの業績

P/L(全体)

※2015年までのデータは、旧社名であるマグロウヒルのものです。

全体的に見れば高利益体質ですが、業績に非常に波がありますね。

2011年→2012年の売り上げ大幅減少は教育部門(マグロウヒル・エデュケーション)売却によるものです。

2014年に営業利益が極端に減少しているのは、サブプライムローン関連の和解金支払いを計上したためです。(和解金支払いを経費に計上できるのね…)

S&P、7700万ドル支払いSEC・2州と和解―格付け手法問題で
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、合計7700万ドル(約90億2400万円)以上の罰金を連邦および2州の規制当局に支払うことに合意した。

Operating (loss) profit decreased compared to 2013 primarily
due to $1.6 billion of legal and regulatory settlements in 2014
compared to $77 million of legal settlements in 2013

引用:S&Pグローバル – 2014 Annual Report

P/L(セグメント別)

S&Pグローバル・レーティング

前述した和解金支払いにより2014年が営業赤字であるのを除くと、安定成長/高利益率です。

サブプライムローン問題発生後も、未だに信用格付けがワイド・モートな事業であることが一目で分かります。

S&P グローバル・マーケット・インテリジェンス

2016年に営業利益が大きく伸びているのは、子会社のJDパワー売却によるものです。

S&Pグローバル・レーティングに比べるとやや利益率が低いとはいえ、20%以上をキープしているのは優秀です。

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス

売上の規模は小さめである反面、利益率は素晴らしいです。

非常にメジャーな指数を多数擁しているだけあり、ETFの規模が拡大するにつれてしっかり売上/利益が伸びていますね。

B/S

自己資本比率の低さが際立っています。

2015年に至っては、和解金支払いの影響で自己資本比率が3%まで低下しました。

S&Pグローバルの債券に信用格付けを行うなら、ジャンク債判定になりそう。

EPS/DPS

45年連続で増配している、俗に言う連続増配銘柄です。

株価の伸びに配当の伸びが全く追いついておらず、配当利回りは1%前後ですけどね…

C/F

年によってキャッシュフローのばらつきが激しいです。

特に営業キャッシュフローが安定していないのは懸念点で、もし和解金支払いが営業キャッシュフローに含まれているのであれば、今後安定していくことに期待です。

総評:事業は魅力的だが経営がアグレッシブ過ぎる

S&Pグローバルは、信用格付けや指数運用といった非常にワイドモートな事業を有しています。

一方、相次ぐ企業買収やサブプライムローン問題関連の損失で負債が膨大になっているにもかかわらず、負債の圧縮よりも企業買収を優先しています。

News Release - S&P Global
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私個人の意見としては、もっと身の丈に合った経営を行ってくれれば、投資対象としてこれ以上なく魅力的な企業ですね。

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私個人の意見では、こちらの方が投資対象として魅力的ですね。

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