【IBM】IT業界の人間が読み解くIBMのFY2017 Q4決算!今後の展望は?

IBMのFY2017 Q4決算を、仕事の都合でなかなか読む時間を取れませんでした・・・今日ようやくしっかり読めたので内容を分析してみます。

※本投稿のIBMの決算内容は、以下の資料が出典です。

IBM Reports 2017 Fourth-Quarter and Full-Year Results

IBM REPORTS 2017 FOURTH-QUARTER AND FULL-YEAR RESULTS

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前年度比で売上増加

Systemsの売上が前年度比で大幅に増加し、全体の売上も前年度比プラスに転じました。

ロメッティさんもうれしそうですね(*´ω`*)

出典:It took 23 tries, but IBM is finally back to growth

2017年にメインフレームの新製品であるZ14が発売されたことで、ハードウェア売上増加がSystemsの売上を押し上げました。

ただ、この決算内容には首を傾げる点があります。SystemsにはハードウェアやOSの売上しか含まれないのですが、メインフレームが売れるとシステム構築関連の売上も伸びなければおかしいです。

メインフレームの箱を買っただけではシステムとして使えないためですね。システム構築を行わないメインフレームは、ソフトが入っておらず、ケーブルを全く繋いでいないゲーム機のようなもの。

システム構築関連の売上はTechnology Service & Cloud Platformに含まれそうなんですが、同セグメントの売上は前年度比で微減しています。Technology Service & Cloud Platformに関する説明を読んでも「戦略的必須領域が15%成長したよ」位しか書いておらず、詳細は不明です。

•    Technology Services & Cloud Platforms (includes infrastructure services, technical support services and integration software) –revenues of $9.2 billion, down 1 percent (down 4 percent adjusting for
currency). Strategic imperatives revenue grew 15 percent, driven by hybrid cloud services, security and mobile.

もし、今回の決算に計上されていないシステム構築関連の売上があるとすれば、次回の決算ではTechnology Service & Cloud Platformも前年度比プラスになることを期待できます。(期待しすぎは厳禁)

また、Z14はクラウド連携や機械学習といった機能を売りにしています。古いメインフレームからZ14に更新したユーザが前述の機能を利用することで、戦略的必須領域の売上成長につながるとベストですね。

戦略的必須領域は順調に成長

FY2017全体で、戦略的必須領域(クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャルネットワーク、セキュリティー)の売上がIBM全体の46%を占めるようになりました。もうすぐ過半数に到達しますね!

AmazonやMicrosoftと比較されて競争力が低いように見られがちなクラウド領域も、年間ベースで前年度比24%成長しており素晴らしいです。

•    Full-year strategic imperatives revenue of $36.5 billion, up 11 percent; represents 46 percent of IBM revenue
— Fourth-quarter strategic imperatives revenue up 17 percent (up 14 percent adjusting for currency)
•    Full-year cloud revenue of $17.0 billion, up 24 percent year to year
— As-a-service annual exit run rate of $10.3 billion in the quarter, up 20 percent year to year (up 18 percent adjusting for currency)

重要:IBMクラウドの世界シェアに関するガセ情報が多い件

「クラウド」と一口にいっても、様々な種類があります(IaaS、PaaS、SaaS、DSaaS…etc)AmazonやMicrosoftは、IaaSやPaaSに強いです。一方、IBMが強いのはSaaSです。

「IBMのシェアはAmazonに大きく劣っている」と言っている人が引用しているのは、SaaSを除外したシェア(下図の赤線参照)なんですよね。悪意があるのか、無知なだけなのか・・・

出典:The Leading Cloud Providers Continue to Run Away with the Market

少し古い情報ですが、SaaSのシェアだと1位がIBM、2位がSalesforceです。(下図の左側円グラフ)MicrosoftがSaaSでも3位なのは、Office 365の存在が大きそうですね。

出典:SaaS市場のシェア、IBMがトップでセールスフォースが続く

税制改革による費用で最終赤字

55億ドルも費用を計上すれば、最終赤字もやむを得ない・・・

粗利益率が全体的に低下

左側がFY2017 Q4、右側が前年度(FY2016 Q4)です。粗利益率は前年度より低下しています。

IBMの粗利益率は40%台後半~50%程度で推移しており、今回の粗利益率が特段低いわけではないです。しかし、全てのセグメントで粗利益率が低下しているのは気になりますね。

総評

今後に期待できる内容の決算でした。短期的にはメインフレーム関連の売上が好調に推移し、その間に戦略的必須領域が売り上げの過半数を占めるようになりそうです。今回の決算以降、売上は増加傾向が続く可能性は十分にあります。

既にIBMを保有している人は、継続して保有しつつ次回の決算で粗利益率をチェックですね!

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