住宅向け卒FITの売電単価(約8円/kWh)は、野立て太陽光発電で利益が出る水準?

住宅向け太陽光発電のFIT期間(10年)が終了に近づいており、2019年11月にはFITが終了する住宅向け太陽光発電が登場します。

それに伴い、各社がFIT期間切れ(卒FIT)の電力争奪戦を始めています。すでに売電単価を公表している企業が複数ある上、参入を表明している企業も複数存在します。

企業売電単価(公表)
昭和シェル&ソーラーフロンティア8.5円/kWh(九州)
7.5円/kWh(九州以外)
積水ハウス 11円/kWh
※積水ハウスのオーナー向け
スマートテック 10円/kWh
シェアリングエネルギー 8円/kWh

こうしてみると、卒FITの売電単価は8円/kWh弱が直近の主流になりそうですね。もちろん、争奪戦が白熱する中で売電単価が徐々に高くなる期待はありますが。

この8円/kWhという売電単価…野立て太陽光発電が現在の状況で卒FITしたと仮定して、利益が出るものなのでしょうか?野立て太陽光発電のFIT終了は早くても2032年ですが、気になるので調べてみます。

スポンサーリンク

太陽光発電所のスペック

私が実際に建設予定の太陽光発電所(低圧フルサイズ)で計算してみます。

  • 土地代:537万円
  • 設備代:1590万円
  • 売電単価:19.66円/kWh ※18円/kWh×消費税(1.08)
  • 初年度発電量見込み:106,627kW
  • 初年度売電収入見込み:207万円
  • 土地の固定資産税:0円

卒FITにより売電収入は大幅に減少

20年後の売電収入の計算にあたっては、太陽光パネルの劣化を考慮に入れる必要があります。調べてみると、太陽光パネルが毎年0.5%程度の劣化は発生すると見込んでおけば妥当な線のようです。

ちなみに、先ほどご紹介した京セラ佐倉ソーラーセンターの例では、25年間で9.6%の出力低下があったとのことで、単純にこれを年数で割ると、毎年0.38%の劣化となります。
性能の劣化をどのように測定するかによっても値が変わってくるので、これらの劣化率の数値同士を単純に比較することはできませんが、こうして見ると、毎年0.25~0.5%程度の出力性能の劣化があるようです。

ソーラーパートナーズ – 太陽光発電パネルの寿命・耐用年数は結局、何年なのか?劣化率とあわせて考える

毎年0.5%ずつ劣化すると、20年後には約9.6%発電能力が低下します。とすると、20年後の発電量見込みは…

発電量:106,627kW×90.4%≒96,391kW

卒FITの売電単価を8円/kWh(消費税込みで8.64円/kWh)と仮定した場合…

売電収入:96,391kW×8.64円/kWh=832,818円

初年度は200万円弱の売電収入を得られる見込みの太陽光発電所ですので、初年度比で4割程度の売電収入まで落ち込んでしまいます…

O&Mは必要だが、融資返済や固定資産税の支出が不要になる

20年後の太陽光発電所でもO&M関連費用は継続してかかります。

非常に手厚くO&Mに費用をかけても、低圧の発電所1基に年間80万円も必要ないです。年間で15万円~40万円程度ですかね。

20年後も必要なO&M関連費用の例

  • 雑草対策
  • 保守点検
  • 故障した機械の交換 ※メーカー保証期間内なら作業費用のみ
  • 遠隔監視
  • 保険

また、20年間経過後は設備の固定資産税(17年償却)や融資返済に費用が掛かりません。

「売電収入ーO&M関連費用」がほぼ丸々税引き前利益になることから、金額の多寡はともかく、利益が出るとは考えてよいかと。

20年経過後に即撤去する必要はなさそう

こうしてみると、20年経過後も既存の発電所が稼働している限りは売電を継続した方がお得です。大規模な修繕が必要になったりして、事業を終了した方がよくなったらその時撤去すればよいですし。

発電所が25年~30年~と長期に渡って稼働し続けられるよう、メンテナンスには気を遣いたいと思った次第です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました