【金鉱株】金価格を変動させる要因とは?

最近、じわじわと金価格が低下してきました。

2017年11月から12月にかけて上昇した分を帳消しにしましたね。

<金価格チャート(2年)>

出典:GOLDPRICE

金は、通貨的な役割(通貨の価値の裏付け)持ちつつコモディティでもあるという唯一無二の性質を持ちます。

コモディティであれば需要と供給で価格が決まり、通貨であれば他の通貨との比較で価格(為替)が決まりますが、金価格はどのようにして決まるのでしょう?

トムソン・ロイターが毎年発行しているGold Survey 2018というレポートに金の需要と供給についての細かいデータが載っていたので、需要と供給の観点から調べてみます!

なお、2017年以前のGold Surveyであれば、田中貴金属工業のHPで日本語版を読むことが出来ます。

田中貴金属工業株式会社|需給レポート
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金の需要

金の需要には、大きく分けて「現物需要」と「金ETF投資需要」の2種類があります。

現物需要の内訳

宝飾品用

イヤリングやネックレス等の原材料として、金はよく使用されます。現在でも金の需要の大半は宝飾品用が占めます。

余談ですが、ゲームでも「金の~」装備はよく出てきますね。

FF5の金の髪飾り(消費MP半分)が強かった…

工業用

工業用の需要として主なものは、電子機器用と医療用(金歯)です。

電子機器に使用されている金はごく微量ですが、塵も積もれば結構な量になります。

電子機器のごみの山から金をはじめとする希少金属を回収しようという試みがなされていますよね。(いわゆる都市鉱山)

スマホから「金」を取り出す画期的技術 エジンバラ大学で考案
スマホなどの電子機器のプリント基板には、微量ながら金が使われている。これまでは金だけを取り出すのが困難だったために大部分が廃棄されてきたが、このほどスコットランドの研究チームが画期的なリサイクル技術の開発に成功した。エジンバラ大学の科学者た

公的部門用

各国の中央銀行は金の現物を保有しており、保有量を増やす場合には需要が発生します。

金本位制でなくなった現在も、通貨の信用力確保に金は一役買っています。

世界の中銀、金保有を加速 通貨の信用力維持へ
新興国を中心に中央銀行の金保有量が増えている。金の国際調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシルによると、保有量は2016年までの5年間で約7%増えた。キーワードは「通貨防衛」。地政学リスクが高まる中

小口投資用

純金積み立てのような小口投資で使用する、金地金やコインの原料としての需要です。

純金積み立てするより後述する金ETF投資の方が色々楽だと思いますが、金の延べ棒やコインを実際に持ったらテンション上がりそうで、少しくらい保有してみたい気もする(笑)

現物需要の推移

絶対量が多い、宝飾品や小口投資向けの需要変動の影響が大きいです。

リーマンショック後に2013年まで需要が急増した後、2014年以降低下して2016年の落ち込みが激しいです。

Gold Surveyによると、現物需要が多いのは中国とインドです。

2013年の需要急増を引き起こしたのは中国の需要増加、2014年の需要急減は中国の需要減少、2016年の需要急減はインドの需要減少です。

金ETF投資需要

金ETFには金現物の裏付けがあるというのは有名な話です。

金ETFの残高に応じた金現物が信託特定口座に保管されるため、金ETFの残高が増加すると裏で金現物の購入が行われています。

金ETF投資需要の推移

信託特定口座に保管されている金在庫の増減をグラフにしたものです。

2013年の在庫減少量がとてつもないことになっています。

2013年~2015年にかけて在庫が減少し続けていましたが、2016年にようやく増加に転じました。

金の供給

金の供給には、大きく分けて「鉱山生産」「中古金スクラップ」の2種類があります。

また、鉱山企業が金価格の下落に備えて先物取引で金価格をヘッジすることによる影響もあります。

鉱山生産

金鉱石の採掘→精錬による生産です。

現在も金生産の大半を占めていますが、古くから金を生産している地域では、地下奥深くまで穴を掘らないと金鉱石を採掘できなくなってきているといった問題が発生しています。

中古金スクラップ

金を含むスクラップを回収し、そこから金を精錬するものです。

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【個人/法人、全国対応】当店は安心の日本金地金流通協会の正規登録店。他店では査定が難しいどんな状態の貴金属でも査定可能な高い分析力が強みです。工業系スクラップ金属買取の株式会社エスアールシーが運営。

金供給量の推移

金の需要量は変動が激しい一方で、金の供給量は2009年以降4000トン台前半で安定していますね。

鉱山生産量が増加した分中古金スクラップからの供給量が減少しています。

需給バランスと金価格

現物需要と供給のバランスは、金価格と連動していない

コモディティであれば、需要>供給なら価格が上がり、需要<供給なら価格が下がるはずです。

しかし、金に関しては全く当てはまりません!

以下は需要/供給と金価格の推移です。

需要<<供給である2009年~2010年/2016年に金価格が上がったり、需要>>供給である2013年に金価格が暴落したりしているのが見てとれます。

金ETF投資需要と金価格が連動している

以下はETF在庫増減と金価格の推移です。

2つはピタリと連動しており、ETF在庫が増加すると金価格が上昇し、ETF在庫が減少すると金価格は減少しています。

特に2013年が顕著ですね。(ETF在庫急減&金価格暴落)

まとめ

金価格はETFの売買で決まる

金ETFの在庫増減は、絶対量だけで見れば金の現物需要/供給量に比べて微々たるものです。

しかし、金価格の決定においては、金ETFの在庫増減(=投資家による金ETFの売買)が決定的に影響を及ぼしています。

つまり、「金の価格はETFの売買で決まる」というのが結論になります。

金の現物需要/供給のバランスは価格決定に大きな影響を及ぼさないため、石油のように減産/増産で価格を安定させることが出来ないということですね。

今は金現物/金鉱株の仕込み時

これまでの話から、投資家が金ETFから一斉に資金を退避させたら金価格が暴落することが分かります。

急激な資金退避は、誰もが予想していないような悪いニュースが発生した場合に起こるものです。

アメリカの利上げや量的緩和縮小といった金価格にとって悪いニュースは出きっており、今後金価格が暴落する可能性は非常に低いと考えられます。(いわゆる悪材料出尽くし)

もちろん、当面の間じわじわと金価格が下落する可能性は高いため、短期的に利益を出すのは困難です。

しかし、将来金ETFに資金が集まって金価格が上昇までの「仕込み時」としては非常に良いタイミングですね。

補足:金価格と相関性が強いのはアメリカ実質金利

アメリカ実質金利(長期金利-インフレ率)と金価格を比較すると、逆相関的な動きを見事にしています。

「金とドルは逆相関」と言われることが多いですが、「金とアメリカ実質金利は逆相関」という方が正確ですね。

実質金利と金価格に直接の因果関係はないものの、実質金利上昇局面で投資家が金ETF保有量を減らすことにより、金価格が下落しているものと思われます。

  • 2008年末:実質金利上昇&金価格下落
  • 2009年~2013年初頭:実質金利低下&金価格上昇
  • 2013年春~夏:実質金利上昇&金価格下落
  • 2013年夏以降:実質金利安定&金価格安定

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